電子処方箋、医療安全に活用もメリットの実感はまだ限定的
日本海総合病院の島貫病院長は「電子処方箋は、普及すれば医師にも患者にもメリットがある。普及までの過渡期をできる限り短くするのが望ましい」と述べており、その根拠として同病院の内野氏からのこんな指摘がある。
「地域内で電子処方箋を導入済みの医療機関がほぼ当院のみという現時点では、電子処方箋を利用することのメリットを現場で感じられる段階ではない」というのである。
この指摘の背景には、電子処方箋の最大のメリットともいえる重複投薬・併用禁忌チェックといった医療安全面で機能が十分に発揮できていないという現状があるのだという。
この記事にある、モデル事業の対象である山形県酒田地域でも、電子処方箋を導入済みの医療機関は日本海総合病院と診療所数施設にすぎず、電子処方箋対応薬局も同地域を含む庄内二次医療圏内の薬局の2割程度にとどまっているのだという。
医療安全面については患者自身が実感しにくい部分であると考えている。
行政はもちろんであるが、薬剤師が電子処方箋の活用による医療安全面でのメリットについて国民へ広く情報発信する必要があると考えている。
しかし、そのためには現在報道されているマイナンバーカード関連のミスを早急に改善し、一日も早く国民全員が安心して使えるようになることが大前提であると考えている。
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