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薬局DXニュース解説

2023.03.30

【ツルハHD 第3Q決算】調剤1000店規模へ!調剤部門のDX戦略と成長可能性は?

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【ツルハHD2023年5月期 第3Q決算】鶴羽社長、調剤事業は「額をとりにいく戦略」
ドラビズ on-line の記事です。
【ツルハHD2023年5月期 第3Q決算】鶴羽社長、調剤事業は「額をとりにいく戦略」
https://www.dgs-on-line.com/articles/2042
3月23日にツルハHDの2023年5月期 第3四半期決算発表がされました。
決算資料や説明会から調剤の要点をまとめると下記になります。
※決算説明会資料はこちら
2023年5月期 第3四半期決算のサマリー
【調剤部門】
◼ 調剤においては、第3四半期の累計で売上高835億8000万円(前年比;109.0%)
◼ 売上構成比は11.4%。薬局数増加により処方箋枚数が増加したことで伸長。
◼ 売上総利益率については薬価改定や調剤報酬改定の影響を受けて0.9%減少し38.0%で着地。
◼ 今期の新規開局は72店舗。
◼ 処方箋のオンライン比率=5%(前年は3%未満)
 ※全処方せん枚数のうち処方せん予約サービスが占める割合

【新中期経営計画における重点戦略】
◼ 調剤戦略
・現在の調剤売上高約1,000億円を 2025年5月期に1,400億円へ
・店舗併設を中心とした出店を強化し、 現在の店舗数760店を1,170店へと計画
・予想される改定に対しては、薬局機能向上による 各種加算と応需枚数アップにより対応
◼ DX戦略
・各部門社内システムの刷新による、次世代基盤の構築
 デジタルマーケティングの深耕による顧客エンゲージメントの強化
 EC、調剤オンラインなどのライフスタイル・社会変化への素早いキャッチアップ
上記を踏まえ、下記3点からツルハHD調剤部門の成長性は高く、デジタルが推進されていくと私は考えています。

①調剤併設比率の向上
ツルハHDは全店舗で2,571店あり、調剤併設率は約32%(当期末:826店)と、調剤併設率80%を超えるウエルシアHDやスギHDと比べると低いですが、ニュースの表題にある通り、鶴羽社長からは調剤事業は「額をとりにいく戦略」と明言がされています。
上記から、「現在の調剤併設率=今後の調剤部門の成長可能性」と捉えることができ、調剤部門がまだまだ伸びる余地がある状態です。

②調剤DXが伸びている(データを貯める)
説明会の口頭では、処方箋のオンライン比率が5%に成長(1年で約2倍)していると報告もあり、1年で大きくデジタルの取り組みが成長しています。
このオンライン比率向上の結果からも、デジタルでの患者取り込み、囲い込みが強くなっています。
具体的には、公式アプリへの処方箋送信リンク設置や、店頭声掛けなどの施策を実行しているとのこのことです。

③データ利活用の基盤構築が進んでいる(データを使う)
更に先には、デジタルで獲得した患者さんのデータ利活用を目指しており(データ分析基盤(CDP)構築・新たなマーケティングの展開)、より先を見据えたデジタル戦略を行なっています。
※公式ホームページに「データ分析基盤の活用で収益化を目指します」と記載あり


以上、①〜③より、ツルハHD調剤部門の成長性は高く、デジタルが推進されていくと考えています。
今後のツルハHD調剤部門のDXに引き続き注目していきたいと思います。


各社の2023年3月期 第3四半期決算の結果は、別記事にまとめているのでこちらをご参照ください。
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