調剤報酬改定が終わると、国の方針である「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)が公表されます。ここに示される内容は政府の考えであり、これから議論されている「重要事項」となっています。
報酬改定内容については、まだ曖昧な部分が多く、疑義解釈をまっているところですが、骨太の方針に向けた議論はすでに始まっており、医療費抑制に対し口火を切るのが財務省「財政制度等審議会」です。4月28日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会では社会保障費を含めた診療報酬改定の総論が資料として提示されています。
その中で取り上げられたのが、令和8年度調剤報酬改定を象徴する「門前薬局等立地依存減算」「調剤基本料2(受付回数600回超1800回以下、かつ集中率85%超)」についてです。
第一段階として令和8年6月以降に開局する薬局を対象としていますが、「新規開局抑制」など、業界団体からの制度に対する厳しい指摘が出ています。
旧薬事法において、「薬局距離制限」が存在し、最高裁により違憲を受け撤廃した歴史があります。今回の報酬改定による対応についての財務省側の見方が紹介されています。
厚労省は患者のための薬局ビジョンを達成するための「質の担保」といった説明をしていますが、財務省は「量的規制への一歩」と考えているようで、今後さらなる量的規制策につなげていくのではないかと予想されます。
骨太の方針に向けて財務省では「春の建議」という財政制度等審議会のとりまとめを提出します。間違いなくそこに出されるのが、「薬局の総量規制」への提案です。
調剤報酬上は既存の薬局に対して、経過措置を設けていますが、対象が「限定的である」「都市部以外は最初から対象に含まれていない」などの指摘をしています。
患者のための薬局ビジョンが示す次なるゴールが2030年「立地も地域」となっていることもあり、次回改定を含めた2回の改定で厚労省は調整をしていくものと考えますが、既存薬局を対象とした「当面の間」という経過措置の解除を待たずに、すべての地域の薬局を対象とした報酬構造へと変わっていくことは可能性としてあります。
財務省による提案は「春の建議」「秋の建議」と大きく2回です。すくなくとも次回改定に向けた建議は今春を含め4回あります。厚労省の取った施策は、財務省にとって調剤医療費引下げ提案の狙いどころを作る形になったのではと考えます。
6月公表の骨太の方針にどのような影響を与えるのか、医療政策が大きな転換期を迎えているからこそ、その内容は重要な意味を持ちます。
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