11月5日に「社会保障①」が行われ、11月11日に「社会保障②」が議論されました。直接的に調剤報酬(薬局)に関する議論はありませんが、いくつか気になる指摘があるのでお伝えします。
医療・介護分野における人材紹介について、行政資料に掲載されることが多くなってきました。
民間人材紹介会社に対する不満の上位は医療・介護と共に紹介手数料としています。薬局業界においても現在は年収換算の30~40%は当たり前であり、地域によっては50%、一部では100%を条件に案件を紹介するという話も耳にします。骨太の方針2025においても、「医療・介護・障害福祉分野の不適切な人材紹介の問題について実効性ある対策を講ずる」と記載されています。
紹介手数料は「採用委託のコスト」という見方もできますが、医療機関・薬局の経営の負担になっているのは事実です。どのような見直しが進められるのか今後の期待と言えます。
次に「生活保護」についてです。特に医療扶助についてみていきます。
医療扶助費は生活保護費3.6兆円の約半分1.8兆円を占めると言われています。頻回受診等の対策はこれまで福祉事務所を中心に取り組みを進めてきましたがさらなる適正化に向けた取り組みが必要としています。
・オンライン資格確認システム、電子処方箋システムを活用
・レセプト管理システムの改善
・重複多剤投薬
・後発医薬品の使用促進
・自治体の取り組み促進
・生活保護受給者の国保等の加入(ガバナンスの強化)
後発医薬品の使用促進については、「長期収載品の選定療養」が始まったにもかかわらず、「医療扶助においては原則後発医薬品使用となっているため、患者希望による先発医薬品調剤は想定していない」とずさんな対応を見せています。
オンライン資格確認、電子処方箋システムの活用により処方・調剤時点での多剤・重複投薬の確認ができるようになりました。今後一層運用が進むことで効果が期待できるとしています。
財務省「財政制度等審議会」と聞くと調剤報酬への指摘ばかりに目が行きますが、社会保障全体として色々な課題を抱えており、このほかにも間接的に薬局に関わるだろうと指摘もいくつかあります。
より広い視野で見ていくと、巡り巡って調剤報酬改定に紐づくことも多くあります。
俯瞰して物事を見てたいという方は、ぜひ一度全体資料を眺めてみることをお勧めします。
comments