政府による高額療養費制度の拙速な見直しは、日本の誇りである国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねない。特に、所得の低い患者にとって、最新の医療技術や新薬へのアクセスが著しく制限される可能性がある。東京都医師会が求めるのは、単なる凍結ではない。国民を巻き込んだ、真に納得できる削減策の模索である。
医療の選択肢を制限しない
石破総理は国会答弁で度々「国民に理解を求める」と答弁していた。だが、この問題の本質は、「国民に理解を求める」のではなく、「国民と共に理解できる方策を探る」ことにある。セルフメディケーションやOTC医薬品の活用など、直接患者の命に関わらない領域から議論を始めるべきだろう。
高額療養費見直しに対する薬剤師会の沈黙―求められる専門職能団体の声
現時点で日本薬剤師会から高額療養費見直しに関する声明等は確認できない。しかし沈黙は、現在の医療制度改革議論において看過できない状況だ。高額療養費制度の見直しは、処方箋調剤や医薬品供給の最前線に立つ薬剤師にとって、看過できない重大な政策転換である。
専門職能団体としての社会的責任
医療における薬剤師の役割は、単なる調剤業務にとどまらず、患者の医療アクセスを守る社会的使命がある。
・高額療養費制度見直しが患者の医薬品アクセスに与える影響
・セルフメディケーション推進における薬剤師の具体的な役割
・医療費適正化に向けた専門的提言
専門職能団体の沈黙は、政策決定プロセスから専門的知見を排除することに等しい。日本薬剤師会には、国民の健康と医療アクセスを守る立場から、速やかに明確な声明を発表することを強く求めたい。
未来を見据えた制度設計
超高齢社会において、医療費の適正化は避けて通れない課題だ。しかし、それは決して弱者の負担増によってなされるべきではない。医療技術の進歩と、それを支える経済的基盤のバランスを、国民全体で考える必要がある。
東京都医師会の今回の声明は、単なる反対表明ではない。それは、日本の医療制度の未来を見据えた、真摯な提言なのだ。
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