日本救急医学会は、連日の猛暑を受け、熱中症の予防と治療に関する緊急提言を発表しました。提言では、深部体温40度以上で重い意識障害がある場合を最重症群とする新分類を示し、即座に体を冷却する「アクティブクーリング」の重要性を強調しています。医療機関や薬局では、こうした重度の熱中症患者に備えた冷却機材の準備が大切です。
日本救急医学会の横堀将司・日本医大教授は、現状を「災害を超えた状況」と表現し、不要不急の外出を避けるよう注意を呼びかけました。
医療機関には元々何らかの疾病を持った人が多くいるため特に注意が必要です。独居の患者さんに対しては、処方説明の際に水分摂取やエアコン使用など、基本的な予防策の声かけを行いましょう。
横堀教授は「子どもは不機嫌になるなど、普段と様子が違うのも症状の一つ。高齢者は顔色や汗をかいているかも参考にしてほしい」と呼びかけています。
アクティブクーリングに必要な機材としては、冷却マット、アイスパック、ミストスプレー、扇風機、冷却ブランケット、体温計、氷水、冷却用タオルなどが挙げられます。これらを適切に組み合わせて使用することで、効果的な冷却が可能になります。
今後、学会は最重症群の新設を盛り込んだ「熱中症診療ガイドライン2024」の発行を予定しています。この新しいガイドラインにより、熱中症の予防と治療がさらに進展することが期待されます。
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