アストラゼネカ ARを活用した医師参加型イベント開催 医師とのエンゲージメントレベルの改善を確認
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=76747
ミクスOnline さんの記事からです。
なにかと厳しい視線が注がれがちな製薬会社と医師間コミュニケーション。私が製薬に在職していた当時とは雲泥の差で改善されてきたものの、コマーシャリズムを排除しないと患者センタードケアにはならない構造を有する以上、各社とも頭を悩ませているのではないかと想像します。
自分は公益を追求できる組織体を用意して、メーカー色を排除したアカデミック・ディーテーリングを実現するのが理想だと考えていますが、もしそうだとしても現状を踏まえればそこまでの道のりは遠いわけで。
そうした思考を背景として眺めてみても、今回の製薬会社によるコミュニケーション・スタイルは興味深かったです。ARなどのテクノロジーを用いた、医師参加型のイベント開催。ここには、普段は見られない病巣の3D画像やその共有、さらには指導や教育の体験までが含まれているといいます。
要は、製薬会社にとっての顧客(医師)の職能フィールドで役に立つ、という考え方に適っており、素晴らしいと思います。
さて、こうしたテクノロジー、薬剤師の世界に置き換えてみたらどうなるのでしょうか。
薬の調製作業をARで共有しても得るものは少なさそうだし、医薬品情報は3Dにするようなものでもないし、果たして薬剤を分子レベルで3Dにして覗き見られるようにしたら、なにか新しい役立つ体験になるのでしょうか(新薬の開発者なら発想が浮かぶのかな)。薬剤師でない私にはなんとも言えません。
世が薬剤師の対人業務へのシフトを促す流れであることを考えたら、色んな疾患の患者を再現できる〝患者AI〟を開発して、ARを用いてゲーミフィケーションよろしく服薬指導を行うアプリなんかはどうでしょう。
患者は風邪をひいただけの忙しいビジネスパースンから、お母さんに連れられたぜんそく持ちの小児の発熱患者もいれば、複数の慢性疾患を有したSDMが最適な来局歴も長い高齢患者だって、設定ひとつであっという間に目の前に登場する。それぞれにフィットしたコミュニケーションが取れるかどうかはスコアで一目瞭然。さらにはARだから指導薬剤師も同僚も後輩も皆で共有できるなんて仕組みを提供できれば、企業と薬剤師間のコミュニケーションはアクティブで有意義なものに変容する可能性が高いのではないでしょうか。
良いと思うんだけれどな。。。ちょっとマーケティングの領域を超えてしまったかも、ですね(笑)
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