国家戦略特区諮問会議が開催 特区での調剤の一部外部委託を首相が認定
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202406/584591.html
日経DIさんの記事からです。
やっとというべきか?ついにというべきか?いずれにしてもその時はやってきました。岸田首相が国家戦略特区(大阪市)における、調剤業務の一部外部委託を承認したというターニングポイントです。
もちろん法改正までは、もう少々時間を要するわけですが、今回、薬局DX推進コンソーシアムによって大阪市内で行われる実証実験で得られた各種アウトカムも見たうえで、必要な修正などは行われるにしても、本格的な実施に向けてタイムスケジュールを確実に刻んでいくことでしょう。
そう考えると、数年前から(丸2年ですかね?)本件テーマを取り扱って研究していた厚労科研の動きは、着実にその後の行政動向を左右するものであるだけではなく、そこには〝意志〟をも感じるものだと改めて思いを致しました。
いま、動いている厚労科研にはなにがあるかは常に見ておく必要がありますね!
さて、このように具体的に動き出した外部委託ですが、その動きの中で他の厚労科研由来のテーマとは若干異なる独自の特徴があることに触れてみたいと思います。
それは先述のコンソーシアムに見られる同業他社が集まって共同作業を行うその珍しい〝様態〟についてです。
ここでいう同業他社とは調剤機器メーカーのこと。同じくコンソーシアムに集まる大手チェーンや個人経営など、薬局に関してはコンソーシアムに限らず業界団体や職能団体が存在して、共同作業を行うことは比較的珍しくはないように見受けられます。
しかし、調剤機器メーカーに関しては筆者が業界に入って30年近く、ほとんど見たことがないのが実際のところ。もちろん、業界団体がないわけではありませんが、外部委託の通信フォーマットなど本当の意味でオープンに共同作業を行っているのは、実に画期的なことなのだろうと、感慨深いものがあります。
これも、業界全体の発展を見つめてという俯瞰した視点を各社が共有できてこそではないかと解釈しています。真に新しいことを行うときは、定められたパイを取り合うようなゼロサムゲームではないことが、余計にこうした画期的な機会を与えたのでしょう。
調剤機器業界がひとつになって取り組んだこの外部委託に関する動きが、薬局はもちろんのこと、真に国民の薬物治療のクオリティを高める薬剤師バリューの下支えになることを祈ってやみません。
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