NPhAが医療DXの課題と要望をとりまとめ
電子処方箋の薬剤情報が電子薬歴で見えない不便など訴え
ここで挙げられている課題と要望は以下の4点となる。
(1)保険証としてのマイナンバーカード(マイナ保険証)の運用にかんすること
(2)電子処方箋の受付体制にかんすること
(3)薬局システムとの連携にかんすること
(4)パーソナルヘルスレコード(PHR)にかんすること
(1)マイナ保険証の運用面では、患者の情報閲覧に対する同意の効力が受付日に限定されており、もし薬剤師が別日にその患者をフォローアップしようとしても情報が閲覧できなくなるなどの問題が生じている点についてである。
(2)電子処方箋の受付体制の整備と運用に面については、電子処方箋を受け付けた際に、薬剤の用法が正しく取り込まれないケースがあり、従来の紙処方箋と比較して間違いの発見も困難になることが課題として指摘されている。
(3)薬局システムとの連携の面では、電子薬歴などとの連携の不備などが指摘されており、具体的には、電子処方箋の情報がレセコンでしか閲覧できないケースが報告された。
(4)PHRにかんしては、マイナポータルに含まれる個人の情報として、OTC薬や健康食品、副作用歴などが記録されていないので、一元管理できない点などが課題として指摘されている。
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今回、NPhAが指摘している課題や課題解決に向けた要望は、医療DXの実現に向けた第一歩といった感想である。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の目的は、デジタルの活用による新たな価値の創造である。単なるデジタル化にとどまらず、その先にある未来の薬局や薬剤師像に目を向けることを忘れないでほしいと考えている。
医療・介護・福祉の未来を考えれば考えるほど、デジタルの活用による医療DXは不可欠である。常に「新しい価値とは?」を意識して、デジタル化の先にある医療DXを実現することを期待している。
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