デジタル庁から次期マイナンバーカードのデザインが発表されました。現行カードの後継となる新しいカードでは、デザインの一新や性別欄の廃止、ローマ字表記の追加などが図られる予定です。
次期マイナンバーカードのデザイン公開--「マイナカード」の名称廃止も検討
医療現場においては、マイナ保険証のオンライン資格認証が義務化されオンライン資格認証を行い受付するシーンが日常になってきたところで、いきなりの変更ですが、問題はないのでしょうか?、せっかくオンライン資格認証機器を導入したのに、また買い替え?となるのでしょうか?
結論から言うと、新旧カード切り替えに伴う、窓口などでのハードウェア交換は不要との見解が示されているので、カード自体のデータフォーマットの変更などはなさそうです。
性別の非記載化
性別が券面から外れました。多様性の観点からも望ましい変更と言えるでしょう。ただ医療では性差によって治療や処方が異なるため必要な情報ですが、ICチップ内にデータとして残されているのであれば、大きな問題はないでしょう。
ローマ字氏名の併記
在留外国人の受診時に、名前の書き間違いが減少することが期待できます。余談ですが発行主体として「日本国Japan」と表記することが検討されているようです。海外での身分証提示を求められた場合、従来はパスポートしかありませんでしたが、実現すれば、海外で提示できる公的な身分証として機能することも期待できます。
暗証番号の集約・生体認証の活用
これまで4つあった暗証番号が2つに減り、将来的には生体認証に移行する計画です。高齢者などで暗証番号が覚えられないという問題も解消されそうです。またスマートフォンなどの顔認証や指紋認証を組み合わせることで将来的には暗証番号を無くす方向なのも良い改良です。医療機関での本人確認がより簡便になるでしょう。
一方で、新旧カードの並行期間が想定されます。窓口での一時的な煩雑さは避けられません。
また、国民健康保険証としての位置づけが変わらず、診療報酬の算定根拠として引き続き活用できることが重要です。
総じて、次期カードは医療の質や効率性を高める狙いがあり、医療従事者として前向きに対応していく必要があります。ただし、ハードウェア交換は不要とされてはいますが、オンライン資格認証機器のベンダーは十分テストして導入時に現場が困らないように十分準備してほしいものです。また運用面での混乱が生じぬよう、国や自治体から丁寧な情報提供と準備期間の設定を求めたいところです。
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