薬剤師が薬局で薬歴を作成する本来の目的は、患者の薬物療法の安全性と有効性を確保するためです。
保険請求が目的になってしまった薬局では、本来の目的を失っていることも多く見受けます。
引用記事の診療報酬改定説明資料p55に
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001219992.pdf
「薬剤服用歴等の記載にあたっては、単に患者から収集した情報、相談事項及び患者への指導内容を単純に全て記載するのではなく、その要点を記載することで差し支えないが、指導後速やかに記載を完了させること。また、定型文を用いて画一的に記載するのではなく、指導等を行った保険薬剤師が必要事項を判断して記載すること。特に、薬学管理料やその加算を算定する場合には、その根拠及び指導内容等について簡潔に記載すること。なお、指導の内容等について処方医等へ情報提供した場合には、情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に記載又は添付すること。」との記載があります。
薬剤師が薬局で薬歴を記載する際は、
・患者から得た情報や相談内容、指導内容を要点を簡潔にまとめて記録することが求められる。
・記載は指導直後に迅速に行う必要があり、定型文の使用を避け、個別の状況に応じた記録を推奨する。
・薬学管理料の算定根拠や指導内容は明確にする必要がする。
・処方医などへの情報提供があった場合は、内容や文書の写しを薬歴に記載または添付する。
ということで、簡潔かつ必要な情報を記載するという内容です。薬歴の本来の目的である患者の薬物療法の安全性と有効性を確保するためには好ましい内容だと思います。
電子薬歴のシステムも大きく変わっていくのだろうな。病名や主訴がはっきり確認できなくても、薬剤師の判断としての推定病名や、相互作用や副作用、既往など必要事項に絞って、必要な情報を集約できて、活用しやすいシステムを希望。患者さんとのトラズルになった際の根拠などには引き続きなると思うので、しっかりと活用できるシステムがいい。電子処方せんの流れとともにフォーマットが変わっていくのだろうな。
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