原薬のシングルソースでの安定供給の仕組みを
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202212/577818.html
日経DIさんの記事からです。
本当に頭が痛い医薬品供給問題。自分が製薬にいたころ、よもやこんな事を想像したこともなかったですね。想像力の欠如と言われれば、それまでですが・・・。
この記事によると、日本エスタブリッシュ医薬品研究協議会(JEMA)さんが後発品の供給改善に対する提言として、一般的に不測の事態に強いと考えられているダブルソースよりも、シングルソースでの安定供給を目指した方が良いしているそうです。
本当にそうなんでしょうか。
なぜシングルソースか?というと、最大のネックは「仕入元あたりの注文スケールが小さくなり、優先順位が下がる」からのようです。さらに、日本は海外諸国よりも原薬の仕入れ基準が厳しいため、原薬メーカーからすると二重に美味しくない。
なるほど、と思いました。後者は。
でも、基準が厳しいのかどうかは服薬する側の国民レベルでは何とも言えませんが、他国民にも働きかけてグローバル基準をもっと安心できるレベルに引き上げるよう、画策することもありかも知れません。
問題は前者のダブルソースによる注文スケールが小さくなること。これは市場原理的にはそうかも知れませんが、どう考えてもシングルソースになればその依存性からリスクは極大化するのは自明の理。ならばどうすれば良い?日本に100を優に超える製薬会社が存在します。それら全部で「日本国」として原薬をまとめて購入すればどうでしょう。
企業がたくさんあることを逆手に取って、小麦みたいに公的な買付けにするとか、製薬協などの業界団体で共同仕入れにするとか?ダブルソースを保ちながら注文スケールを大きくする手立ては色々あり得ると思いますけれどもね。根っこの常識のところから考え直せば道は拓けるんじゃないでしょうか。
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