マイナ保険証、利用率上昇の病院支援へ 移行の混乱回避
政府が2024年1月から始める「マイナ保険証」の利用拡大策は、医療DXを加速させる一方、新たな課題も浮上させています。現在の利用率は僅か4%台。利用率が上がらなければ、1年後に予定されている現行保険証の原則廃止に伴う混乱が予想されます。
政府は、マイナ保険証の利用率を上げるために、診療報酬に上乗せする形で支援金を出す制度を導入します。これは、医療機関が患者にマイナ保険証の利用を働きかけるインセンティブとなります。
しかし、足元の利用率の低さは、マイナ保険証の登録者数が全人口の約6割となる7200万人に達しているにもかかわらず、医療機関が保険資格をオンラインで確認する方法は現行保険証による照会が大半を占めるという事実から明らかです。
この問題に対して、政府は医療機関側が消極的であるとの見解を示しています。現場からはマイナ保険証の使い方を案内する手間が負担との声が上がっています。また、診療情報を共有すること自体に抵抗感を持つ医療機関も存在します。
これらの課題を解決するためには、医療機関と患者の双方が新システムに慣れる時間と、十分なサポートが必要となります。マイナ保険証への切り替えは、医療のデジタル化を進める重要な一歩であり、その成功は医療DXの未来を左右すると考えられます。
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