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薬局DXニュース解説

2023.11.20

薬局×DTxが高血圧治療から!今後有望な臨床薬剤師のカタチ 京都府薬剤師会

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京都府薬剤師会は医師が処方する治療用アプリの活用等への薬局薬剤師の介入を検証する事業を開始する。

【京都府薬】薬剤師介入の有用性検証‐高血圧治療アプリ使用で
https://www.yakuji.co.jp/entry106473.html

薬事日報さんの記事からです。

この研究は非常に楽しみで、思わず赤池昭紀先生に直接尋ねてしまいました(苦笑)。

何が楽しみかというと、今の日本医療界が抱え込んでいる諸問題を、いくつも解決していく糸口になる可能性があるからです。私がイメージするのは次のような問題です。

1.    OECD加盟国でも下位に甘んじる医師リソース不足の問題
2.    OECD加盟国でトップの人数を誇る薬剤師リソース活用問題
3.    薬剤投与過多の傾向とポリファーマシー関連の有害事象問題
4.    超高齢社会の続伸と薬物治療主体の慢性疾患患者の増加問題
5.    薬剤師介入が臨床と経済指標を改善することの認知不足問題

医師が薬の代わりにDTxを処方する比率が増えて、その取扱い方の説明や1週間後の電話フォローを薬局薬剤師が行う。過剰な薬剤はもちろん、良い効果がでれば医師リソースの使い方も、薬剤師リソースの活用内容も今以上に有用になりそうです。

しかし。

薬局薬剤師サイドの目線で見つめてみると、今の仕事に〝追加〟される業務になるわけで、やはり並行して〝時間の創出〟が喫緊の課題になるのでしょう。そのための手法にはマジックは存在しません。①調剤自動化、②非薬剤師代替、③外部委託なんかが挙げられるでしょう。

③については今日(17日執筆時)厚生労働委員会で猪瀬議員による質問が前進させた面もあったようですね。やり方さえ間違えなければ、有用性はあると思います。

私は講演などで登壇する際によく〝外部委託〟について賛否を問います。ずっと「部分的賛成」を含めた3択で尋ねていたら8-9割の方はこの「部分的賛成」に手を挙げられます。そこでつい先日(11/9)あるセミナーの最中に2択で問うてみたところ…

賛成が68%も占めて驚きました!!(n=90)

それはともかく、これらの時間創出手段のすべてが、上記の5で示した薬剤師の臨床介入効果を引き出すためのものであることにあり、その認知不足の問題を解消する地ならしであることを忘れないようにしたいと思います。

なんといっても、実際にカナダでは医師以上に高血圧患者での良いアウトカムを薬局薬剤師が挙げており*1、その結果をベースにマルコフモデルを構築して本邦に代入してみれば、計算上とはいえ25年で790万人の命を救い、20兆円の医療費削減につながるとの研究結果*2があるわけですから。薬剤師さんのより有用な活用法を考えましょう。

*1;https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.115.015464
*2;https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.13527
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