栄養素の組み合わせは10億通り、オンデマンドサプリの製造に3Dプリンターの必然
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/082701355/?ST=ch_digitalhealth
日経デジタルヘルスさんの記事からです。
英米での販売実績があるだけでなく、既に昨年11月にはサントリーHDからの出資を受けている英国発ベンチャー企業らしい。
なんでも32種類の栄養素を最大7種のミックスで3Dプリンターが「グミ」にするとのこと。事前にオンラインで回答した問診の内容に応じた方、個人専用にカスタマイズされた「グミ」なわけだ。
なるほど、と思ったのは、NEWテクノロジーそのものよりも、NEWテクノロジーの活かし方、つまり「ポジショニング」。いまや、3DPを用いて食品だろうが、医薬品だろうが造形物を作製すること自体に技術的障壁は少ない。
それでも社会的に色んな意味で馴染んでいない状況においては、どのツボを押せば導入され易いか?のツボによる温度差がかなり激しいのが一般的だろう。その意味において、この「グミ」を作製するポジショニングに3DPを置いたのは興味深い。
それは「健康」や「予防」という、非常に多くの人たちが関心を寄せる巨大マーケットに、小さな規制や、医師などの専門家が有する領域とも重なりが極めて小さいこと。要はあまり「文句を言ってくる人はいなさそう」という目の付け所だ。
私は以前から3DPが医療現場に投入され、より流通がシンプルに短く、より患者個別な製剤が届けられる日が来るだろうことを予測してきた。ただし、この予測の弱点は、「いつ、それが社会実装されるのか」が、なかなか読めないことだ。
健康食品やサプリと比べて、医薬品にかかる障壁は桁違いに多く、大きくなることも一因だ。法規制もそう、医師や薬剤師などの医療従事者による心理的抵抗もあるだろう。
反面、成分ごとの用量調整も個人にあったカタチできめ細かく対応できたり、複数種の錠剤をひとつの配合錠にしてアドヒアランスを高めるなど、使い方次第で色々なメリットを享受できる(32栄養素のサプリで組合せが10億もあるなら、数千種を数える錠剤だと人智を超えた天文学的な組合せになりそう!)。
医療シーンにおいて少なからず新しい価値を生み出せるテクノロジーなのであれば、医療外の周辺領域からこのような挑戦が展開されて、医療社会における当該テクノロジー親和性が高まるのは、ウェルカムだし喜ばしいことだと思う。
そういえば、話題の外部委託にも将来良いかも知れません。
ちょっと注目しておきたい。
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