大塚製薬とジョリーグッド 精神疾患患者の就労をVRコンテンツで支援 精神疾患で地域連携の一助に
記事に紹介されている「FACEDUO(フェイスデュオ)」と呼ばれる精神疾患患者向けソーシャルスキルトレーニングプログラムは、社会生活を送る上で必要な対人関係や自己管理能力などを養い、身に付けることを目標としている
このVRコンテンツを使うことで、360度空間の中で、オフィスやホームセンターなどの職場で働いている方の視点で、「上司に仕事の進捗を報告する状況」や、「同僚と休憩の時間に雑談する状況」など、様々な職場環境体験を通じて、精神疾患をもつ患者が就労を目指す際に必要とされるコミュニケーションスキルを学ぶことができるとのことである。
まず、この記事で最も着目すべき点は、精神疾患患者のVRコンテンツの作成を製薬企業である大塚製薬が行っている点である。
単なる製薬企業として医薬品を提供するだけでなく、デジタルを活用した新たな価値を見出そうとしており、まさしくデジタルトランスフォーメーションの好例であると考えている。
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精神疾患の治療のゴールのひとつは社会復帰である。その中で職場復帰支援を行うには、様々な高い壁があり、記事にある通り9割以上の支援者が「企業の復職判定基準のハードルが高すぎる」と感じているし、私自身もかかわった経験があるが、その通りと感じている。
また、記事の通り、精神障害者の雇用率は17.9%で、就職1年後の定着率は49.3%と、全障害者雇用の中で最も低い現状がある。
両社は今回開発したVRコンテンツを活用することで、「医療機関から地域へ、支援施設から社会復帰まで、VR の力で患者さんのリカバリーを支え、精神疾患をもつ方にも対応した地域連携プラットフォームの構築を目指す」としており、支援者の立場からも大いに期待している。
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