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薬局DXニュース解説

2023.09.06

デジタル化進まなければ日本は… 電子処方箋は医療DXの第一歩

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電子処方箋が今年1月26日に始まったもののほぼ全ての医療機関や薬局が運用を始めていないため現時点で利用できる人は少ない。厚生労働省の8月27日時点のまとめによると、高度医療を牽引する役割を持つ大学病院で電子処方箋を導入しているのは三重大医学部付属病院のみ。20床以上の病院での導入は全国で17カ所にすぎず、東京都・神奈川県・埼玉県では1カ所もない。三重大病院でも他の医療機関や薬局の導入が少ないため、ほとんど利用された実績が無いという。

電子処方箋の普及進まず 医療機関・薬局、導入2.6%どまり
システム費負担で敬遠 重複投薬の回避に必須
以下のようなメリットがある電子処方箋であるが、補助金があるとはいえプラスの収入に即結しない投資に医療機関も薬局も及び腰ということであろう。

■患者や家族のメリット 

①患者自らが実際に調剤された情報について、マイナポータル等を通じて閲覧できる。また、電子版お薬手帳等との連携等によって、患者等が自ら保存・蓄積した調剤の情報を、他の医療機関等に自らの意思で提示することが、紙媒体よりも容易になる。生活習慣病など比較的長期にわたって治療が必要な疾病では、生活環境の変化などにより医療機関・薬局を変更した場合でも、診療の継続性の確保が容易になる。
②オンライン診療及びオンライン服薬指導において、現状は処方箋の紙原本が郵送されてくることを待つ時間が必要であるが、リードタイムがなくなる。患者は処方箋の原本を即時に電子的に受取り、薬局への処方箋事前送付をより簡便に行うことができるようになる。
③救急医療及び災害医療において患者の処方・調剤情報を参照できる仕組みを構築することにより、医療関係者が患者の服用している薬剤を正確に把握できるため、より良い医療をスピーディに受けられる。2011年3月の東日本大震災時に薬剤師として災害医療ボランティア参加した筆者からみて、この患者メリットは大きい。

■薬局のメリット

①医療機関・薬局間で情報共有が進めば、医薬品の相互作用やアレルギー情報なども管理できるようになり、国民の医薬品使用の安全性の確保につながる。また、薬局で処方内容の照会や後発医薬品への変更などを含む調剤業務が行われた際に、その結果が医療機関にフィードバックされることにより、次の処方情報の作成に有効利用できる。
②紙の場合、カラーコピーなどによる偽造や再利用が問題になるケースもあったが、電子処方箋では不正使用を防止できる。さらに薬局では入力作業の簡素化や誤入力の防止、紙の印刷及び保管スペースの削減効果が期待できる。
③遠隔診療時の処方箋の受け取りが簡易化される。処方箋の原本を電子的に受け取れるようになるため、郵送用の封筒作成の手間・郵送料など医療機関・薬局や患者の負担を軽減することが可能になる。

記事の最後に「医療情報システム開発センターの山本氏は「電子処方箋は医療DXを進め、健康リテラシーを向上する最初の一歩だ」と話す。
デジタル化に前向きに取り組まなければ、日本の医療界はDXの潮流から取り残されかねない。」
とある。筆者はまったく同感です。
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