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薬局DXニュース解説

2023.08.16

零売問題 ~[医師からの処方を前提]のその前に、やるべきことがある!

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厚生労働省は「第7回医薬品の販売制度に関する検討会」を開催。事務局はいわゆる「零売」に関して、「やむを得ない場合」を要件にし法令で位置づける方向を示している。

【零売】「医師からの処方」ありを前提に、“紛失”など対象に/「やむを得ない場合」を法令規定へ
【零売】「医師からの処方」ありを前提に、“紛失”など対象に/「やむを得ない場合」を法令規定へ
https://www.dgs-on-line.com/articles/2229

ドラビズ on-line さんからの記事です。

そもそも[零売]というワード自体から分かりづらいのが国民的には難点ですが。。。

本来は処方箋を必要とする医療用医薬品を「やむを得ない」理由で薬局が必要最小限の量で販売することを認める、的な解説になるのでしょうか。

それを「処方箋なし」で「やむを得なくない」理由で販売している薬局がある、ということを問題視しているかのような建付けになっていますね。

これは国民的にはわかりづらい。

・どんな不都合が国民に生じているのか?
・健康被害が起きているのか?
・経済的な負担が大きくなっているのか?
・クリニックに行くよりも時間を要しているのか?

いまあげたような問題は、どうも起こっているというような情報が届きません。
隠れているだけ?知らないだけ?
それともルールを逸脱しているケースがあること「自体」がまずいという話?

だとすれば、、、国民目線での答えは簡単です。

「ルールを変えればいいんじゃない?」

「零売」とか不気味なネーミングにしないで、実際に健康面・経済面・時間面など多角的にクリニック受診対比で非劣勢でないのがほぼ事実なのであれば、「零売」しても問題なく服用者にとっては便益が得られるのだから、「処方箋をマストにしなければいい」。

いえ、その時の自分の状況から医師への相談もしたければ、放っておいても患者はそうします。
それは国民ひとりひとりが選べばいいじゃないか?そう思います。医師のリソースが不足していく社会で(呼び方は気に入らないけど)零売の可能性を狭めることは時代に逆行していると思います。地域の健康ステーションとしての薬局の可能性も狭めることになると、私は思います。

そんな現実社会で問題になっていないことを議論するよりも(処方箋マストにしない薬剤をルールに明記するなどの議論は別)、もっと国民が気付いていない重要な医薬品に関する問題があるんじゃないか?

市販薬の乱用です。

本来、各製品が単一成分で販売されていれば心配はいらないものの、日本で販売されている市販薬は主成分以外に色んな成分が配合されている。普通の風邪薬や頭痛薬に、普通に家庭麻薬が含まれている。なかには海外ではリスキーだから禁止されている成分が、未だに日本では含まれている場合もある。

きっかけは色々あれど、そうした事実を認識している一部の若者の間では有名な話で、市販薬を乱用するケースは後を絶たないらしい。

因みにこれらは「初めから処方箋が必要のないルール」下の市販薬の乱用の話です。

「処方箋がない世界」で起こっている薬剤由来の有害事象なら、よほど「零売」よりも「市販薬」の方が大きな問題でしょう。規制の議論をすべき順序がまったく逆だと思う所以です。
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