PNBの記事より
かつて、2010年に日本OTC医薬品協会は既にスイッチOTC薬の候補リストを公表しており、選定の基準として、生活者の新たなニーズに応えることが可能で、原則として「再審査期間が終了」、または「再評価結果が通知済み」の要件を満たし、医療現場で繁用されている成分として、高血圧症治療剤(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬)、高脂血症治療剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、片頭痛治療剤(5-HT受容体作動薬)、喘息治療剤(副腎皮質ホルモン)などがリストアップされていた。
当時は大胆だと思われていた提案ではあったものの、その案について厚労省内で議論され、その後医師会に回して審議され、そして予想通り医師会から突き返されてしまうということを何度となく繰り返していた。ただその時残念に思っていたことは、薬剤師会、薬局の現場がその動きにあまり反応しておらず、それを実現させるために後押しするというムーブメントが起きなかったことである。
その後そのような動きはトーンダウンし、特に生活習慣病薬についてはイコサペント酸エチルの販売を契機に、日医から「生活習慣病薬のスイッチについて今後はない、と強く釘を刺されたままになっていた。
今回アンケート結果に基づいたという形をとっているが、日本OTC医薬品協会が高血圧薬の処方を受けることが通院の主目的になっている患者には「同薬のスイッチOTC薬の購入に一定のニーズがある」と述べたことは大変大きな意味があると思うし、薬局の現場もその期待に応えるべく、今度こそ実現できるための体制づくりを考えて早速動いていくべきである。
そのように大変前向きで将来の薬局に希望を持たせる動きがある一方、その流れに逆らうような現在進行中の零売規制への動きには、私たちももっと強く反応し、声を出していかなくてはならないのではないか。
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