パーキンソン病では動作緩慢、筋強剛、安静時振戦などの運動徴候と、認知、精神、睡眠、自律神経、感覚障害などの非運動徴候が認められるとのこと。
上記の症状に加えて、コミュニケーション上の変化も特徴的であり、パーキンソン病患者の9割以上がなんらかの言語障害を有しているとされているとのことである。
しかし、これまでの先行研究において、パーキンソン病患者の会話の特徴や異常についての解析はほとんど報告されていないとのことであり、ここに着目した点に本研究の新規性があるものと考えられる。
本研究によれば、AIによる会話内容の解析により、8割以上の精度でパーキンソン病を判別できる可能性があるとのこと。
パーキンソン病のような進行性の疾患においては早期発見が疾患の進行を遅らせるうえで重要であり、患者のQOLにも大きく関与してくる。
会話の内容をAIが解析するのであれば、非侵襲的なため、生活の様々な場面に組み入れることで、社会実装が実現できるのではないかと考えている。そうすることで、パーキンソン病発症前の予備群の早期発見や新たな予防方法の研究開発へも繋がるものと期待している。
詳細な検討結果については名古屋大学大学院神経内科学 横井 克典氏らの論文を参照。(
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37179151/)
comments