動物病院向け調剤薬局 12薬局 が「動物用調剤」に関する特許取得
獣医師からの調剤指示(電子処方箋)により、動物用調剤からお薬の配送までを外部委託
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000074036.html
このニュースには非常に感心させられました。何に?
ビジネスセンスというか、目の付け所が鋭いなという意味でです。
タイトルに挙げた「医薬分業」(実施済)も「電子処方箋」(←いまココ)も「外部委託」(検討中)のいずれも、人間相手の医療において本邦では、長い時間かけて丁寧な議論を繰り返しつつ、制度設計され、その都度実行・改善されながら築き上げられてきたシステムです。
それが動物病院の世界では一瞬で実現できているわけで。
「動物病院」という視点にズラすことで、一気にビジネスモデルを構築できるのですからね。
私個人は「医薬分業」も「電子処方箋」も「外部委託」も
程度の差は随分あれ、それぞれメリットはあると考えてはいます。
もちろん運用の仕方次第では、医療システムに当初企図したこととは別に
新たなリスクを生み出す可能性だって存在します。
なので、「外部委託」については、厚労省のWG’22.3.31で「規模制限」を進言しました。
いま議論されている「距離制限(三次医療圏)」とは違い、
県境などで仕切る問題なのではなく、あくまで「規模=サイズ」の問題です。
なぜなら、地域包括ケアシステムにおいて、自然災害であれ、人工的な災害であれ、
有事の際に大規模な医薬品供給システムがダウンするリスクは避けなければいけないから。
要するにデカ過ぎるセンターは日常の効率とは裏腹に、有事リスクの塊になるからです。
災害でなくとも、運営者が過度な市場原理主義であれば、儲からなかった際の撤退リスクや、東アジアの彼の国からのサイバー攻撃さえ視野に入れておくのが国民の健康を付託された医療行政が考えるべきではないでしょうか。
そうした幾つかの観点からの運用さえ間違えない制度設計であれば、
「外部委託」も安心して使えるケースはあると思っています。
でも、公的保険を背景に運営される人間向けの医療においては、
このようなビジネスモデル特許で囲い込むのは避けて欲しいですが。
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