神経・精神疾患領域における革新的な治療薬の開発を推進するアキュリスファーマ株式会社とヘルステック企業 Four H は、睡眠に関わる社会課題の解決を目指す「睡眠エコシステム」構築の一環として、日中に眠気を感じるナルコレプシーや閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者さんを対象とするウェアラブルデバイスを活用した探索的研究を開始したと報じられている。
治験の被験者の主観的評価に加え、治験期間中ウェアラブルデバイスを着用により、睡眠、活動、心拍等のデータを取得し、治験で取得する他のデータと併せて解析を行い、睡眠に関するデジタルバイオマーカーの特定を目指すとのこと。
ここで「デジタルバイオマーカー」について少し解説します。
「デジタルバイオマーカー」は、ウェアラブルデバイス(スマートフォン、スマートウォッチなど)から得られるデータを活用して、病気の有無や治療による変化を客観的に可視化する指標となります。
デジタル技術により、従来のバイオマーカーでは得られなかったデータを取得して解析を行い、日常診療や医薬品研究開発へ活用する動きが進んでいます。
このようなビックデータを予防や治療に結び付ける取り組みが、今後ますます増えていくと考えます。
特に睡眠関連疾患や精神疾患など、医師の診察だけでは判断が難しい疾患には有用であると考えられ、新たな治療へのアプローチが期待されます。
患者さんの治療やQOLの改善だけではなく、人口減少にある日本においては、働き手の長期的な健康維持が重要であり、「デジタルバイオマーカー」活用の社会的な価値は大きいと考えられます。
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