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薬局DXニュース解説

2024.03.21

2024年度 第109回薬剤師国家試験、合格率68.43% 男女差や地域格差が顕著

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厚生労働省は3月19日、第109回薬剤師国家試験の合格発表を行った。全国の出願者15,118名の内、9,296名が合格し、合格率は68.43%となった。

本日、厚生労働省は、令和6年2月17日及び18日に実施した、第109回薬剤師国家試験の合格者を発表しました。
合格率の男女差が目立つ結果となった。女性の合格率は70.59%と高い一方、男性は64.92%にとどまった。6年制新卒者に限れば、女性90.74%、男性87.19%と差は小さいものの、既卒者では女性51.76%、男性38.05%と開きが大きかった。

都道府県別の合格者数をみると、東京都が1,066名と最多だった。次いで千葉県615名、神奈川県673名、埼玉県559名と首都圏が上位を占めた。一方で、鳥取県24名、高知県43名など人口の少ない県では合格者が少なかった。地域偏在が顕著な結果となっている。

大学別では、国公立大学の合格率が高い傾向にあった。国立大学の合格率は83.85%と高く、私立大学の67.11%を大きく上回った。首都圏の有名私立薬科大学でも合格率が7割を切る例が目立った。

このように、第109回薬剤師国家試験では男女差、地域格差、大学間格差など、合格者の偏りが顕著にみられた結果となった。今後はこうした格差是正に向けた検討が必要とみられる。

昨年と比較すると?

昨年の第108回薬剤師国家試験と今年の比較を行ってみました。

合格率と難易度
昨年の合格率は69.00%でした。一方、今年は68.43%と若干低下しています。ただし、合格率の違いは0.57ポイントとわずかです。合格率から見る限り、今年の試験は昨年とほぼ同程度の難易度であったと推測できます。

新卒者の合格率
新卒者の合格率に着目すると、昨年が84.86%に対し、今年は84.36%とほぼ同水準でした。新卒者向けの出題範囲や難易度は大きく変わっていないようです。

既卒者の合格率
一方、既卒者の合格率は昨年44.05%に対し、今年は42.42%と若干低下しています。既卒者向けの問題が若干難化した可能性があります。

地域格差
都道府県別合格者数を見ると、東京都が最多で昨年と変わらず、地方では合格者数が少ない傾向も維持されています。地域間の合格者数の偏りに大きな変化はありません。

総じて、今年の試験は昨年とほぼ同程度の難易度で、受験者の傾向や合格者の偏りにも大きな変化はなかったと考えられます。ただし、既卒者向けの問題が若干難化した可能性があります。

合格された皆さん、誠におめでとうございます!

長年の勉強の末、ついに薬剤師としての資格を手に入れられたことと思います。この合格は、皆さんの並々ならぬ努力と情熱の賜物です。心からお祝い申し上げます。

同時に、これからは一人前の薬剤師としての自覚と責任が問われます。薬剤師は、国民の健康を守る最前線に立つ職種です。常に高い倫理観と専門知識が求められます。

薬剤師としての心得として、以下の点を肝に銘じてください。

・患者さんの命を第一に考え、誠実で思いやりのある対応を心がけましょう
・最新の医療知識を常に学び続け、高い専門性を維持しましょう
・医療チームの一員として、他職種と連携し、患者さんのための最善を尽くしましょう

これからが本当のスタートです。薬剤師の重要な使命を自覚し、社会に貢献できる人材となれるよう、たゆまぬ自己研鑽に努めてください。

4月からの皆さんの活躍を、心から期待しています。
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