この講座はオレンジサポーター養成講座を受講した約60人が参加したもので、参加者たちはVR機器のゴーグル、ヘッドホンを付け、以下に示す認知症患者の世界を体験したとのことである。
・脳細胞の働きが悪くなることによって自分がどこにいるかわからなくなる「見当識障害」
・物と物の位置関係がわからなくなる「視空間失認」
・レビー小体型認知症の患者が体験する幻視 など
「幻視に驚いた」 認知症、VR機器で「見当識障害」などを体験
以下に参加者の声を引用する。
・山口市小郡の民生委員「幻視に驚いたが、認知症当事者が怖い思いをしていることもあると実感した」
・山口市平川の会社員「車から降りるだけなのに、ビルの上から下りるような感覚になることもあるのかと思った」
BPSD(周辺症状)は認知症の中核症状以上に、本人や家族などの関係者に負担を与えます。
したがって、認知症のBPSDの発症、進行を抑制するためにも、認知症患者との適切なコミュニケーションが重要となります。
しかし、認知症患者との適切なコミュニケーション行うには、認知症患者が感じている不安や恐怖を理解しておく必要があります。
認知症患者が感じている不安や恐怖、自己喪失感などを理解し、患者へ安心を与える説明や認知症患者の行動を受容し、支えるケアを実施する上でも、VR機器による体験が有用と考えます。
高齢化率の更なる上昇が見込まれ、認知症患者の増加が予測されています。
こうした、VR機器による認知症体験が幅広い世代に広がり、認知症患者さんが安心して暮らすことのできる社会となることを期待しています。
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