処方変更「決め手」は医療情報メディア、オンライン講演会 メドピアが「製薬業界NPS調査」を公表
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75833
ミクスOnline さんの記事からです。
医療界において関係者の誰もが気になる〝処方選択〟。
独占的に与えられているこの権利をどのようなソースに影響を受けながら、目の前の患者さんの治療を遂行するべく行使しているのか?
メドピアさんとエモーションテックさんとのタッグで行われた、第4回目を数えるインターネット調査の結果を取り上げた興味深い記事です。
この調査でよく使われているNPS®(ネットプロモータースコア)という指標。顧客ロイヤリティを計測するのに、世界的にも幅広い業界で汎用されているという意味で、一定レベル以上の信頼度があるものです。そして回答し易いし、扱いやすい。
単純に言うと推奨者・中立者・批判者を簡単に炙り出して、対象へのエンゲージメントを計測する手法ですが、この数値は大半がマイナスで算出されることが多いのです。というのも推奨者の定義は0-10のスケールのうち、なんと9と10のみ。逆に批判者は0-6までもが対象で、7,8の一見高スコアであってもやっと中立者に分類されるシビアなものです。
そう考えると、ヘッドラインには昨年対比で製薬企業全体の薬剤NPSが横ばいに留まったとはあるものの、プラス領域での推移なので〝高評価〟とも言えます。これ、同じことを薬剤師に実施したらどうなるか?
昨今の医薬品供給不足問題。この根深くかつ、長引いている問題は薬剤師の製薬会社へのエンゲージメントに暗い影を落としている可能性が高いと思うのは、私だけではないでしょう。この調査は医師に対して聞いているのですが、もし、3,269名の回答者を院外処方と院内処方とにセグメントできたら、かなりエッジの効いた結果が出てきたのかも知れません(勤務医と開業医はどうだろう?)。
そう考えると、製薬業界としてもNPSが+だと安堵している場合ではなさそうです。
他にも薬剤の領域別(プライマリ、オンコロジー、スペシャリティ)で、処方変更の決め手となったチャネルを問うた結果も面白い。プライマリに比べてオンコロジーとスペシャリティは、情報深度が深くなりがちなチャネルに影響を受けやすいのも納得できます。
この4年間は、コロナ禍と丸ごとオーバーラップするという点でも面白い傾向が見られます。それは薬剤NPSにおいても、リアルの減衰とオンラインの伸長が認められることです。しかし、製薬業界においては、元々はリアルMRが超過剰だったものが、コロナ禍でバランスされたという要素もあると個人的には捉えています。
いずれにしろ、医療従者のみならず、製薬を含む医療産業に関わるすべての関係者にとって、興味深いデータが他にもたくさんあるようで、本発表サイトで登録すれば閲覧できるようです。
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https://emotion-tech.co.jp/whitepaper/2023/pharma-report2023/
ところで、先の〝処方変更の決め手〟の選択肢に果たして〝薬剤師〟があったのかどうか?気になるところです。あったけれども上位ではなく〝その他〟に丸められてしまったのか?そもそも選択肢として無かったのか?
恐らく〝薬剤師〟の選択肢はあったのだけれども、TOP4に入らなかったではないか?と推察します。〝薬剤師〟が伸びてきているのかどうか?が見えれば、チーム医療における薬剤師の貢献度の盛衰がわかる貴重な情報になりそうに思います。
誰かメドピアさんに伝えてくれないかなぁ。
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