こちらは内閣府発表の「こども未来戦略方針」です。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/pdf/kakugikettei_20230613.pdf
骨太の方針が6月16日に発表されましたが、その少し前に「こども未来戦略方針」が閣議決定されたことをご存じでしょうか。
骨太の方針にも「少子化対策・子供政策抜本強化」という項目で、少子化に対するプランが記載されています。
その中で気になる文言があります。
「財源確保のための消費税を含めた新たな税負担は考えない」
という記載です。
気になる具体的な取り組みはいくつかありますが、その中でも
「2026年度を目途に、出産費用(正常分娩)の保険適用の導入」を考えてみたいと思います。
現在も出産一時金は社会保険料を財源として、出産世帯に給付されていますが、保険適用にすると支出は「医療費」に組み込まれます。
出産に掛かる費用は都道府県で異なる為、一律な金額そして保険適用とする部分の詳細は現時点では分かりませんが、77万人(22年度)に対し40万円程度かかるとするとその金額は3000億円に上ります。
この金額が医療費に組み込まれると考えた際に、当然ながらその分の医療費は増額となります。
2022年度診療報酬改定の技術料本体の改定率は「+0.43%」であり、医療費ベースにすると約1200億円と言われています。
その倍以上の金額が医療費に乗っかってくることになるので、2026年度改定はどのような改定になるのか、気になるところです。
医療費になることで、3割負担が適応となり自己負担が発生するのでしょうか。
またすでに出産一時金は社会保険料が原資となっています。本来であれば社会保険料の用途変更となりますが、医療費として見たときに、増額した分の財源を診療報酬改定で捻出するとなると、技術料のマイナス改定も頭によぎります。
「お金がない」という中で繰り出される、さまざまな施策に対し、財源捻出は薬価だけでは足りません。
目先の2024年度改定も大事ですが、その先にある2026年度改定も視野の隅っこにおいておく必要があります。
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