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薬局DXニュース解説

2023.06.21

患者とカルテ共有 ~ 群馬大学病院の事例から今後のICTの活用を考える

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m3.comのインタビュー記事がとても興味深い内容であったので、皆さんにも紹介したい。
記事では、群馬大学医学部附属病院が、腹腔鏡手術などの医療事故が判明した2014年6月以降、さまざまな改善・改革の取り組みを行い、2018年に患者が参加する「患者参加型医療推進委員会」を設置し、その中での活動内容、現場での変化についてインタビューしており、患者とカルテ共有についても述べられている。

群大病院、患者とカルテ共有、実施後は8割の医師が賛成‐調憲・群馬大学医学部附属病院副院長/患者参加型医療推進委員会委員長らに聞く◆Vol.2
記事ではインフォームドコンセント(IC)のやり取りの録音、患者・多職種によりカンファレンスなど、様々な活動について述べられているが、ここでは患者とのカルテ共有について触れておきたい。

患者とのカルテの共有の詳細としては、2019年より、希望する入院患者さんにパスワードを発行し、病棟に設置しているPCから患者自身のカルテへリアルタイムでアクセスできるようにしたとのこと。

共有なので、患者自身も記入することができるのが本来の姿であるが、法的な問題やセキュリティーなどの問題があり、閲覧のみとのことである。

医師による記録、看護記録や検査データ、画像データ、各種報告書など、ほぼ全ての記録が対象で、ベッドサイドでも見ることができるノートPCも用意しているとのことだ。



これは当然かもしれないが、「患者とのカルテの共有については、当初、医療従事者から多くの反発がありました。」とのこと。
今後、薬剤師が作成した薬歴も患者と共有する時代はすぐそこに来ていると、私は考えている。

そこで、皆さんもこの記事にあった対馬義人氏の次の言葉を参考にしてはいかがだろうか。

・「日常診療のなかで、患者さんやその家族に開示されることを念頭に置けば、適切な書き方・表現というものがおのずからある」

・「診療録、看護記録、検査記録、そのほか診療に関係する全ての情報は、患者さんの個人情報であって、患者さんの利益のために記録される」

・「決して医療従事者の私的な記録やメモといった性格のものではない」

今後、情報が一元化されていく中で、私自身これらの言葉を肝に銘じて仕事をしていきたい。
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