山、公園、河川敷、草地、庭など、主にウイルスを保有している屋外で生息するマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。その中でもフタトゲチマダニは、SFTSを媒介したとされる種類の1つです。現在、感染症法上ではSFTSは四類感染症に位置付けられています。
2013年1月には日本でもSFTSが発生していることが明らかになり、本年6月1日までに、西日本を中心に185人の患者が確認され、うち47人が死亡していることから致命率が極めて高いウイルス感染症です。
国内では、新型インフルエンザウイルス感染症を適応症として承認されている抗ウイルス薬です。作用機序はウイルスの細胞内での遺伝子複製に必要なRNAポリメラーゼを阻害しウイルス増殖を抑制します。
愛媛大学 感染研の西條政幸部長によると、ファビピラビルを用いることでin vitroでSFTSウイルスの増殖を抑制し、さらにSFTSウイルスを感染させるマウス実験(in vivo)ではコントロール群ではほぼ全ての個体が死亡するのに対して、感染3日以内にファビピラビル投与すると致命率が0%に、5日目に投与を開始しても致命率が50%に低下する。と、世界で初めて報告し、対処療法しか無いSFTSの治療に有効性のある薬剤として期待されています。
マダニの活動期間は3月から11月ごろとされます。なによりマダニに咬まれない事が大切です。これから夏休みなどで野山で活動する子供たちやキャンプなどで森林に赴く場合は、露出した服装は控え、ディートなど虫除けを活用する事が大切です。
アビガンは新型コロナウイルスの治療薬として期待されつつも残念ながら有効性は認められませんでしたが、SFTS治療薬として早期承認されることを願っています。
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