約20年前から薬学部を新設する大学が増え続けている。
しかし、少子化で高校生の数は減少し続けている。そして、さらに追い打ちをかけているのは6年制による学費増がネックになっていることが薬学全体の志願者の減少傾向につながっていると考えられる。
現在では、情報開示によってストレート合格率なども可視化されており、これらの情報を吟味して受験生はシビアに入りたい大学を選べる。こうした情報背景からも、人気を集める薬系大学とそうでない薬系大学の二極化が今後はさらに進むことが予測できる。
しかし、単に薬系大学の二極化の議論だけで良いのだろうか?
薬系大学での教育の中身や卒業した後の薬剤師としての仕事の魅力を発信できているのであろうか?
他の医療・介護職種と比較しても、薬剤師の役割はまだまだ世間に認知されているとは言い難い。
マイナ保険証、オンライン資格確認、電子処方箋、電子版お薬手帳など、様々な医療DXに向けたインフラが整いつつあり、これらのPharma Techを薬剤師が実装することにより、その役割のインパクトも高まり、その結果、薬系大学を目指す若者も増えるものと考えている。
また、様々な疾患において治療補助アプリが保険適用されており、その適正使用についても薬剤師の介入が期待されるなど、まだまだ活躍の場は広がると考えられる。
記事の最後に「この先、入学者の募集停止に踏み切らざるを得ない薬系大学も出てくるかもしれない。」とあり、危機感を持ちつつも、医療DXに対応できる新たな人材育成に取り組んで行きたい。
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