六者懇では、主に以下の団体の代表者が「薬学教育モデル・コア・カリキュラム令和4年度改訂版」「臨床における実務実習ガイドライン」「卒後臨床研修」について意見交換をした。
文部科学省高等教育局医学教育課
厚生労働省医薬局総務課
国公立大学薬学部長(科長・学長)会議
日本私立薬科大学協会
日本病院薬剤師会
日本薬剤師会
六者懇の中で、日経DIonlineの記事が着目しているのは、「臨床における実務実習に関するガイドライン(令和4年度改訂コアカリ対応)」の中にある「従来の22週の実務実習終了後、各学生の希望と各大学が有する教育資源に応じ、病院または薬局で行う追加の実習を選択で実施し、臨床に係る実践的な能力のさらなる向上を図る。この追加の実習等を8週間程度実施できることを目指して、大学は環境の整備に努める」である。
関連資料はこちらから
https://www.mhlw.go.jp/stf/shiryo_240205.html?_fsi=egvTLeVY
https://www.youtube.com/watch?v=WaKFVeLFQ2E
今回の六者懇の構成メンバーからは、実習を引き受ける施設の負担を懸念する声もあったが、実務実習の期間を延長する考えについては概ね一致していた。
筆者も六者懇のYouTube動画を確認したが、8週間の延長については慎重な意見が多かったように感じた。そして、8週間の延長や施設への負担、コストも大切であるが、延長によって学生がどのように成長し、何を得ることができるのか?についても早急に議論する必要があると考えている。
議論の中で、10年後のコアカリ改訂の際に正式に8週間の延長を盛り込むという話があったが、それでは遅いと感じている。薬剤師に求められるニーズの変化のスピードと薬剤師を養成する大学での教育のスピードが大きくずれていると感じている。
様々な検証を行った後に、導入することも重要ではあるが、走りながら改善していくといったスピード感も求められているのだと思う。
これまでも様々領域で遅れをとってきた薬学なので、その失敗を糧に、挽回していくことが重要である。
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