PHARMACY NEWSBREAKの記事より
2月17日に出された薬価流通政策研究会・くすり未来塾の「〜医療先進国としての明るい未来を目指して〜医薬品制度改革提言 Ⅵ 」の中で、「薬価差はどこで生じているか」について、医薬品卸の販売データを分析してみると、薬価差の実額全体の35.6%が「20店舗以上のチェーン薬局」から生じていて、大規模薬局の薬価差(乖離率)は推定9%台前後だということが新たに示されました。
https://kusurimirai.com/news/332/
同研究会はこれまでの提言で、薬価差益の多くは都心の大病院、大手薬局チェーン、薬局などの共同購入で発生しており、過半を国に返還すべきだと主張していますが、薬局経営において大きな柱となっている薬価差益を国に返還すべきだと言われても、現実的には大変厳しく難しいと言わざるを得ません。
このように薬局の属性によって薬価差益に乖離があることが明確化されたのであれば、偏在している属性による重み分けによる薬価差益圧縮策を提案すべきではないかと思います。これは薬局業界を分断するような意味を持ちますが、逆に分けないで同じ物差しでは議論を前に進めることが出来ないと思うのです。
しかしこの提案は、同時に薬価差益が最終的に6%程度に圧縮されていくことを意味しますので、大手だけではなく中小薬局も大きな影響を受けることは間違いありません。しかし今まで厚労省主導で調剤に偏重した薬局が多く生まれてしまった現状において、これから本来あるべき薬局の姿に変容していくためには避けては通れない、血の出るような試練なのだと覚悟しなくてはならないということでしょう。
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