令和8年度診療報酬改定は「賃上げ改定」とも呼べる改定です。診療報酬改定財源の約半分がベースアップ評価料として職員に給付とされます。
診療報酬におけるベースアップ評価料の目的は改定に伴うスライド等でも説明されていますが、医療・介護は公定価格(報酬)のため、サービス価格は2年に1度しか変えることができず、かつ物価高が続く中で職員の給与増につなげるのが難しい環境にある。
その中で、医療・介護職の他業種への流出が続いており、働き手不足に拍車をかけているとされています。
よって報酬による人材獲得・維持の下支えをするためにベースアップ評価料が設定させています。
「他業種への流出」はなぜ起きるのか。それが産業全体の賃上げが理由の一つに挙げられるのではないでしょうか。(あくまでも理由の一つです)
昨今の「賃上げ」ラッシュにはいくつもの要因と思いますが、政府による後押しも大きいように思います。
数年前はサラリーマンの平均年収440万円といわれていましたが、都心部であれば20代で余裕で追い越してしまうのが現在だと思います。
さてそんな賃上げ、賃上げと続いていますが、財務省が面白い資料を出しました。
社会保障費と保険料収入(+国費)の差が大きくなると財源不足になり「保険料増加」につながります。
そのための方法として、社会保障費を下げる(報酬改定)と社会保険料収入を増やす(財源確保)が挙げられます。
財務省資料では、「賃上げ」は「保険料収入増加」であるとしています。
一般的には企業努力で賃上げを実施します。そして給与が増えた分だけ社会保険料は増加します。その社会保険料は社会保障費の財源に使われます。
財務省は賃上げは「財源の増加」と捉えているということなのです。
今回の数千億円規模の医療・介護職の賃上げ対応も、片方の視点では太っ腹ですし、片方の視点では一部は国に戻っていく財源ともいえます。
本質的なものは、もっと複雑な構図なのでしょうが、「賃上げ」すれば社会保険料が増える、それが社会保障費の財源につながる。そんな見方で見るとまた調剤報酬も少し違った視点で見れるのではないでしょうか。
comments