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薬局DXニュース解説

2025.04.30

次回報酬改定に向けた論点とは~財政審が考える医療費抑制とは~

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4月23日に財務省財政制度等審議会が開催し「持続可能な社会保障制度の構築」という資料が公表されました。

【財政制度等審議会資料】
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20250423/01.pdf

財政制度等審議会とは財務省の審議会の一つで、予算や決算をはじめとする国の財政について審議を行う財務大臣の諮問機関です。社会保障関連の議題は春と秋に行われ、報酬改定を控えた年では秋に行われる審議会の内容は業界の大きなトピックスとなります。財務省の管轄なので、厚労省で開かれる会議とは違った視点から、医療業界に厳しい指摘が投げられます。

医療・介護・障害と指摘は多岐にわたり130ページの資料なのですべてをご紹介できませんが、薬局関連の項目をあげると、

■調剤報酬
・引き続き、重複投薬、多剤投薬の防止や残薬の解消、かかりつけ薬剤師昨日の発揮といった観点から、対人業務を重点的に評価する報酬体系への一層のシフトを進めるべき

・薬局の経営状況を踏まえたさらなる調剤基本料の適正化

・調剤報酬のうち、技術料は処方箋1枚当たりでも、薬剤師1人当たりでも大きく伸びており、適正化の余地が大きい。

・2022年度改定で対人業務の評価という位置づけになった調剤管理料は、薬学管理料の約5割を占め、表面的な整理に過ぎない。
(メリハリ付けが不十分)

・政策推進のために手厚く評価してきた報酬項目(加算)であっても、政策目標の達成状況を踏まえながら、必要に応じ、報酬体系の再編等を検討すべき。
(後発医薬品の数量シェアは9割に迫っている)

・「対物業務」から「対人業務」への重点化が進められているが、真に対人業務を評価する報酬(かかりつけ薬剤師指導料や服用薬剤調整支援料等)の算定状況は、芳しいとは言えない状況。

・(調剤基本料は)令和2年度から6年度改定において処方箋集中率に応じた見直しがされてきているものの、さらなる適正化の余地がある。
(経営の実態を踏まえながら、処方箋集中率が高い薬局等における基本料1の適用範囲を縮小すべき)

■保険給付の範囲の在り方の見直し
・処方箋医薬品と、それ以外の医療用医薬品(比較的リスクの低い)を、保険適用上どのように取り扱うべきか

・OTC類似薬に係る保険給付の在り方の見直しを具体的に進めていくべき (選定療養制度も参考に)

調剤基本料に関する指摘や「対物から対人への移行」に関しては例年通りの指摘となっていますが、新たに政策的インセンティブ(後発医薬品調剤体制加算)が追加となっています。こちらは先日の参議院予算委員会でも指摘を受けている項目であり、次回改定での動向がきになる項目です。

財務省の指摘がすべて報酬改定に向けた議論につながるわけではありませんが、次期改定への予想をしていく上で把握しておきたい情報といえます。
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