第67回日本糖尿病学会年次学術集会 針不要、指当てるだけの血糖測定器が実用間近
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202405/584387.html?n_cid=nbpnmo_mled_html-new-arrivals
日経メディカルさんの記事からです。
一時は話題になった保険薬局の検体測定室。これが再び近い将来、話題に上るかも知れません。その理由が今回ご紹介する記事で触れられている〝針が不要な血糖測定器〟。
指先がチクッ!とする指先の穿刺や血液の絞り出しが医行為に相当し、薬剤師には当該行為ができないことから、自己採血×薬剤師による消毒や血液採取ベースで行うよう2015年に通知されているのが保険薬局の検体測定室でした。
この多少なりとも障壁になっていたであろう、指先のチクッ!が完全になくなる非侵襲的な血糖測定器の上市が現実味を帯びてきたのです。
チクッ!の有無は、被験者の心理的バリアを解消することを通じて、保険薬局にとっては検体測定室をさらに活用するチャンスになり得るでしょう。わずか5秒ほど指先をあてがうだけなのですから。
筆者は2019年に東京ビッグサイトで開催されたCAREショーで出展されていた同装置について、社長の山川氏によるミニセミナーを拝聴する機会がありました。
技術的背景は高輝度中赤外線の発振を実現したことによって、血管内の血糖値レベルの生体分子標本に応じた振動数を拾い出すとのこと。なんでもこれが近赤外線ではグルコース以外の成分にも反応しやすく精度が出ないのだと伺ったことがあります。
スタイルもお洒落なその外観は、持ち合わせているテクノロジーと相まって、実に夢のある製品だと感心した覚えがあります。
個人的に気になる点は、その時点(2019年1月)で2020年に医療機器申請を終えて、2021年上市を迎えるとしていた計画の遅れ。その間、誰もが予期しなかったCOVID-19の流行も挟んで現在2024年。
ビッグプロジェクトによく見られるのは、計画の〝遅延〟と〝予算の大幅超過〟と相場が決まっています。夢のあるテクノロジーがこれらの定番にこれ以上障害されずに、無事、世に生まれ出てくれることを祈りたいと思います。
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