在宅緩和ケア充実「薬局」加算を提言 厚労省検討会で参考人
この検討会の中で医療法人社団悠翔会理事長・診療部長である佐々木淳参考人は以下のように提言していると伝えている。
「がん患者への在宅での緩和ケアを担う薬局を診療報酬で新たに評価すべきだ」
この提言を行った背景にあるのは「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」を応用した薬局への評価のようである。
「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」は在宅医療において緊急往診や看取りの十分な実績などがある在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院への評価である。したがって、既に診療所・病院での実績のあるこの加算を参考にして、在宅緩和ケアの実績がある薬局への新たな評価を作るよう求めたものである。
私の個人的な認識では、在宅緩和ケアに取り組んでいる薬局は少しずつ増えてきてはいるが、まだまだ少ないのが現状であると考えている。
この先の多死時代を考えれば、在宅緩和ケアにかかわる薬剤師を増やすことは重要だ。
したがって、今回の検討会においてこのような提言が出された意義は大きいと感じている。
在宅緩和ケアについては、私自身もかかわった経験があるが、薬剤師の個人の頑張りに頼るところが大きく、いわゆる燃え尽き症候群に繋がってしまうケースも見られる。
そのため、診療・調剤報酬の中で評価して頂き、次の世代の薬剤師を育成するための原資や薬剤師の所得増に繋げることも重要であると考えている。