2025年、日本の薬局業界は大きな転換点を迎えています。厚生労働省が推し進める「対物業務から対人業務へ」のシフトは、薬剤師の役割を根底から変えようとしています。調剤機器メーカーとして長きにわたり業界を支えてきた株式会社ユヤマは、この変革期をどのように捉え、どのようなソリューションで未来の薬局像を描いているのでしょうか。専務取締役の湯山正司氏に、同社のビジョン、調剤室の未来を変える「zero for pharmasist」戦略、そして制度化が迫る調剤外部委託への対応について伺いました。
――ユヤマが推進されている「zero for Pharmacist」とは、どのようなコンセプトですか?
「zero for Pharmacist」は、調剤室の中における薬剤師作業をゼロにすることを大きな目標とした当社のソリューション・コンセプトです。
現状の薬局では、薬剤師が調剤室という「対物業務の場」に縛られ、「患者さんの前」という「対人業務の場」にいる時間がとれないという状況が生じています。この状況を打破しなければ、国が目指す対人業務の充実も、薬剤師の職能向上も実現しません。薬剤師が調剤室から解放され、本来注力すべき患者さんの健康を守る業務に集中できる環境を創出することが、このコンセプトの使命です。
――「zero for Pharmacist」の実現に向けて、具体的にどのような取り組みをされていますか?
当面は「zero for Pharmacist」の推進に尽力しますが、その先、つまり薬剤師が対人業務にシフトした後の薬剤師の価値向上と医療貢献にも目を向けています。
調剤後の作業や薬の管理、さらに進んで患者さんが薬を服用するまでの状況を把握・管理できる環境が、現在の医療現場には不足しています。分包機という媒体を中心として、患者さんの服用状況の確認までソリューションを広げていくことを考えています。これは、医療費の削減(残薬問題の解消など)と患者さんの安心・安全に直結する、国が強く求める方向性でもあります。
この大きな課題解決に向けて、私たちメーカーがシステムやソリューションを通じて変革を推進していく必要があります。自社だけでなく他社とも協力しながら、業界全体として、日本の医療の未来を牽引していく所存です。
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