患者さまの正しい服薬と薬剤師による服薬管理のサポートをさらに強化した新型「服薬支援ロボ」の販売開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000067708.html
日立チャネルソリューションズ株式会社のプレスリリースです。
現在、約6,000台。
まず、その稼働台数に驚きました。
もちろん、各種の高齢者施設に入居されている方の全体が、ざっと200万人(*)ほど存在するとすれば、それに比べて少ないという見方も出来なくはないですが。
高齢者にアジャストした製品を作り込むのは難しい。個々に千差万別な身体及び感覚の事情が潜んでいることから、装置とのUIをスムーズにするのは中々ハードルが高いのですね。そうした条件を鑑みると6,000という数字は健闘しているのだと思いますし、それなりにユーザーの使い勝手など情報は集まってきているのではないかと想像します。
なので、私はそこに敬意を払いたいと思います。
ただ、「正しく」薬を服用してもらうのが目的なのであれば、
どこかで装置が果たせる役割は頭打ちになるのではないかとも思っています。
それは、薬を払い出すお手伝いや管理は可能ですが、その後はフォローし得ないから。
狭間研至先生の表現を借りるならば、対人業務時代の薬剤師さんにとって、お薬を渡した「その後」が勝負なのと似ているのかも知れません。では「その後」を装置がフォローしようとすると、どんなことが考え得るのでしょうか?
ひとつは、当該装置を用いて薬剤師さんが画面等を通じて話しかけられること。
これまである意味冷たいハードとしての「装置」と対峙していた高齢者さんが、
装置に装着された画面越しでも薬剤師さんの顔を見て、声も聴ければ、随分温かみを感じるでしょう。
結果、アドヒアランスにも良い影響が出る可能性がありそうです。
あともうひとつは、米国で承認されていたデジタルメディスンと組み合わせ。
患者という意識が薄い施設入居者にとっては、ウェアラブルなツールさえ身には付けたくないもの。
服用した錠剤から発信される微弱電波を受信するデバイスの代わりを
部屋にある服薬管理の「装置」が賄えるのであれば、やはりアドヒアランスが高まるかも知れません。
いずれにしても超高齢社会が続く限り、この市場には色々な可能性が潜んでいそうです。
* 高齢者向け住まいの今後の方向性と紹介事業者の役割 →
https://www.yurokyo.or.jp/contents/pdf/3026-1
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