医療機関と薬局を情報で繋ぐトレーシングレポートサービス「AAdE-Report」を共同開発
京都大学医学部附属病院のホームページより。
◎共同開発したAAdE-Report(Adherence and adverse drug event report)について
AAdE-Reportは、これまで医療機関や薬局が処理に困っていた紙媒体のトレーシングレポートを、各施設で電子的に管理できるようにするサービスとのこと。
AAdE-Reportは、Google Cloud の東京リージョン環境で動いており、本サービスにより、トレーシングレポートを送受する薬剤師の業務の効率化のみならず、服薬状況などの患者情報がオンラインで共有され、医師は次回以降の診察時にそれらを効果的に役立てることができるとのこと。
AAdE-Reportの活用により、地域包括ケア社会における医療機関と薬局の連携をより強めることに繋がり、安全で安心な医療コミュニティの構築に貢献できると期待されている。
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トレーシングレポートの電子化は、このAAdE-Reportのサービスだけではなく、既に様々な電子薬歴にも実装されている。
筆者が今回この記事に着目した理由として、京都大学医学部附属病院が開発にかかわっている点にある。
今後、特定機能病院である京都大学医学部附属病院のトレーシングレポートの電子化によるビックデータ解析により、先進医療から地域医療や予防医療に関する幅広いエビデンスが出てくることを期待している。
特に、薬局薬剤師が患者さんと接している時に気がつく違和感や、患者さんの生活状況などの情報がトレーシングレポートに記載されることが多く、こうした情報を医師がどのように活用し、治療効果を向上させたり、QOLを高めたりするのか? といったエビデンスの中から、薬剤師の対人業務の有用性に関するエビデンスも出て来ることを期待している。
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