【日本薬剤師会・山本信夫会長】規制改革に「薬剤師の総力を結集して、理不尽な要求に対抗していかなくてはならない」
https://www.dgs-on-line.com/articles/2028
初めに断っておきますが、私個人は「規制改革」について、特段の賛否は持っていません。
たまたま一度だけ、外部委託をテーマにしたワーキンググループに参考人として出席し、ライブで見聞した立場として、想うことを書いてみます。
外部委託に関して私は、実際に存在するであろう有用な部分は進めれば良いし、さりとて外部委託万能という都合の良い話も無いだろうと思っています。要するに安全・便利に行える部分を見極めてやれば良い!という部分賛成・部分反対、是々非々のスタンスです。
でも、会議の議論を聞いていると、中々そんな感じでは話が進まない。どうも、規制改革側は「是が非でも規制をこじ開けたい!」という論調の声が目立つからか、逆に薬剤師側は「是が非でも死守しないと!」という感じの主張に偏り易かった気がします。
規制改革側の決めつけも度を越していたと思うのは、そもそも経団連の資料にある錠剤分包機1,500万円+画像鑑査装置1,500万円=合計3,000万円の設備投資が、大半を占める中小薬局に行えるわけがない!という論理でした。「どこを探せばそんな装置があるのか?」機器メーカーとして、これは看過できませんね(笑)
この数字をベースに議論しちゃってるから、そりゃあ「ほとんどの薬局は一包化作業とその鑑査負担から逃れられない」となってしまう。けど、それは言い過ぎですよね?明らかに。
こんな具合にブルドーザみたいにプッシュしちゃうと、薬剤師側も必要以上に守る姿勢が強くなっちゃうのでは?とも感じました。本当は、薬剤師側から「こういう局面・条件では外部委託の実施も可能ではないか?」という提案があっても良いと思うのです。これだけ対物から対人へと薬学的職能が求められているなか、発展し続けるロボットやICTなどのテクノロジー、薬剤師以外のスタッフを活かさない手はないわけで。
まあ、どのみち、地域に根差す薬局密度が高い日本において、米国のような巨大調剤センターは不要だし(逆に過度な集中によるリスクも高い)、オランダのような一包化センターはありなのかも知れない。
一番安全・便利に対応し易そうなのは、やはり複数店舗をもつ薬局の自社内委託でしょうし、ひょっとしたら薬剤師会の会営薬局なんかも、当該地域センターとしてハブを担えるかも知れませんね。
一国民・患者目線でいうと、自然災害とサイバーリスクを最小限に抑えるための適正規模要件と、適切な頻度(毎回とは限らない)での患者へのリアル面談を仕組み内に埋め込んでおくことを意識下されば、外部委託スキーム自体は使えるケースはあると思っています。
いずれにしても、万能ではない外部委託の有用性が上回るケースを両者で探して欲しいというのが私の願いです。
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