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薬局DXニュース解説

2023.03.16

ロボットは代役、ICTは早弁! ~どちらがDXに貢献する?

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薬剤師の働き方DX、「対物から対人へ」によく効く薬局のICT・ロボット活用
薬剤師の働き方DX、「対物から対人へ」によく効く薬局のICT・ロボット活用 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02378/030200003/?ST=ch_digitalhealth

日経クロステックさんの記事からです。

「ロボット薬局」というワードは、とてもキャッチーで分かりやすい。
若かりし頃、コピーライター養成講座に通っていた私からすると、
「一本、取られた!」という秀逸な表現だと思います!

さて、記事にはこの「ロボット」が「対物から対人へ」に「よく効く!」とあります。
もちろん、これもその通りで、実際に優れたコストパフォーマンスを叩き出しているのだろうと思います。

ただ、「よく効く」にはある程度の条件があって、
60,000強も存在する本邦の薬局全部に「よく効く」わけでは、ない。
それは自明の理なんだけれども、「よく効く」キャッチコピーは強力過ぎて、
眩し過ぎて、その辺りを惑わせてしまうことが無きにしも非ず。

技術の粋を集めた「ロボット」がどういう時に「よく効く」のか?
これはもう歴然としていて、対象タスク量が導入コストに見合うのかどうか?です。
いくら優れていても「ロボット」は対象タスクしか対応しない「作業屋」さん。
確かに使い方を間違えない限り、ミスしないし、文句言わず淡々と働くけれども、
「ちょっとこっちのタスク(例えば水剤分注)が混んでるからやっておいて!」と言っても、
箱出しロボットや散剤分包ロボットにとっては、お手上げなのです。
当たり前だけど・・・。

そう考えると、「ロボット」の影で俄然、注目すべきは次の2点でしょう。

1.マルチタスクなヒューマノイド
2.パーシャルタスク代替機能

1については、そんなの存在するのか?と叱られそうですが、
実際、存在しないので結局のところ「生身の人間」の出番です!

「パートナー」や「ファーマシークラーク」とか、定義や呼び方は様々でしょうが、
要は薬剤師以外のスタッフさん。
薬剤師でなくても良い様々な作業や対人業務にマルチに対応するのは、
やはり「生身の人間」には敵いません。。。

では2は何なのか?
こちらは既存の自動化機器でボトルネックになっている作業「部分」をターゲットに
新たに自動化したもので、外観上は既存機器とそれほど変わらない機器のこと。
私が勝手にそう呼んでいるだけですけれども(笑)

従前の錠剤分包機と外観ほぼ同じだけど、ほとんど手撒きが無くなったよとか、
従来の散剤分包機と外観ほぼ同じだけど、勝手に散剤を認識・秤量してくれるよとか。
現状のボトルネック部分だけでも自動化することって、
想像以上のコストパフォーマンスが得られるのですが、
恐らく何万という単位の薬局さんで有用性を享受できる実用性があります。

調剤ロボットメーカー社員の立場としては、調剤ロボット推し!!と言いたいところですが、
冷静に60,000薬局強を見つめた時には、パーシャルタスク代替推し!!なんですね。

まあ、将来、外部の受託センターが出来たとすれば、そこは違う世界になるでしょう。
結局、調剤する施設の規模や種類によって、推しは異なってくるということです。

因みに本記事の薬局さんで一番私が優れていると思うのは、
ロボットそのものよりも、むしろ「処方データがダイレクトに閲覧できる仕組み」です。
患者さんを待たせないスピードの源泉は、ここが一番大きいのだろうと思います。
それはそうです。お昼休み前の早弁!みたく、スタートが断然早いのですから。

薬局の規模や処方箋の内容を問わずあまねく効果があるというのは、
ICTの方がロボット以上なのではないでしょうか。

そういえば、電子処方箋サービスが広く普及して当たり前になって、
うまく活用されるようになれば、良いですね。
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